被災地・岩手県岩泉町に災救隊が出動
8月末に上陸した台風10号による豪雨の影響で、河川の大規模な氾濫が相次いだ岩手県岩泉町では、死者19人、全半壊家屋700棟以上という甚大な被害に見舞われた。
9月中旬まで町内へ続く道路が寸断されていた影響で、災害の発生から1カ月以上が経った現在も、復旧の手が届かない地域が少なくない。
こうしたなか、同町社会福祉協議会の要請を受けた災害救援ひのきしん隊(=災救隊、田中勇文本部長)は、10月2日から9日にかけて本部隊をはじめ、岩手・秋田・宮城・青森の4教区隊が3次にわたって出動し、延べ506人の隊員が懸命の復旧作業に当たった。
災救隊は当初、盛岡市薮川地区にある「岩洞湖家族旅行村キャンプ場」を宿営地に定め、車で1時間半かけて岩泉町へ出動。孤立集落の一つ、同町袰野地区の民家で、水に浸かった家財道具や畳の搬出、床下の汚泥撤去などを行った。
5日には、台風18号接近中との予報を受け、宿営地を盛岡市の岩手教務支庁へ移動。隊員たちは、車で2時間半以上かけて現場へ向かい、袰野地区のほか、中里、中島の両地区にも出動した。
現場では、家財道具の搬出や床下の汚泥撤去など、住民の要望に応えて作業を継続。9日までに、延べ27件の住宅の復旧作業に当たった。